ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

胸の中の手術の負担を最小限にする。胸腔鏡下肺葉切除術について

目次


胸腔鏡とは


以前は肺に出来た悪性腫瘍は開胸手術といって胸を大きく開いて切除を行っていました。
開胸手術はその切除範囲の大きさから痛みや体の負担が大きく動物の状態によっては、手術自体を行うことができない場合がありました。
しかし、現在の獣医療は人の医療と同様に胸腔鏡手術という方法が発展し、体への負担を最小限にする方法が用いられるようになりました。
胸腔鏡手術とは胸に数カ所の3-10mm程の穴を胸に開けて、そこからカメラや専用器具を入れてテレビモニターに映る拡大された映像を見ながら手術をする方法です。

胸腔鏡手術の利点は以下の通りです。
・傷口が小さいため痛みが最小限
・臓器を外気にさらさないため臓器障害が最小限
・痛みと臓器障害の少なさから体の負担が少なく退院が早い

全ての症例が胸腔鏡手術が可能というわけではないですが利点がたくさんあるのですね。





実際の症例


実際の胸腔鏡を用いて、肺がんになっている肺を切除した症例についてご紹介します。
ここまで胸腔鏡手術は体の負担が少ないということをお話ししてきました。
ご紹介する症例は手術当時13歳の犬でしたが、術後次の日から歩けるほど回復は早かったです。

以下は手術の写真になります。
苦手な方はご注意ください。
↓↓


胸の中に鉗子を入れているところ
切除のために止血クリップを設置しているところ
また拡大する映像を見ながらの手術なので安全性も高いです。
この子は術前にCT画像検査を行い、明らかな転移がないことを確認してから手術を行っています。
肺自体は肺腺がんという結果でしたが、手術から1年以上たった今でも再発はなく非常に元気にしてくれています。
動物の大きさや状態によって胸腔鏡手術が適応かどうか変わりますので、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください!


執筆担当:獣医師 西田 純平
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