ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

犬の肺動脈狭窄症

目次


肺動脈狭窄症について


犬の肺動脈狭窄症は、犬の先天性心疾患の20.8%を占めており、動脈管開存症、大動脈狭窄症に、ついで発生率が高いとされています。
*写真1イラストでみる犬の病気より参照*

症状としては軽度であれば無症状であることが多いですが、重度の症例では呼吸促迫や失神発作などが認められることがあります。
失神を起こして突然倒れたり、呼吸が苦しいという症例では 狭窄病変が長期にわたると右心系に負担が大きくなり、うっ血性心不全の兆候、腹水がたまりお腹が張ってきたり、肝腫大などが認められます。



肺動脈狭窄症の治療


治療には、軽度の症例では治療は必要ありませんが、中-重度な症例の場合には、β遮断薬などが有効な場合があります。
外科的治療であれば、体外循環下での右室流出路の形成などがあげられます。
そのほかにも、肺動脈の弁性狭窄であればバルーンカテーテルによる弁口拡大術があげられます。
弁性狭窄であれば第一選択の治療法になります。 開胸手術に比べると、低侵襲であり入院日数も短いです。
しかしながら、肺動脈弁輪部の低形成や筋性狭窄の場合には、カテーテル手術は不適用もしくは手術効果として期待ができない場合もあるので、しっかりとした診断が必要になります。

*写真2バルーンカテーテル
*写真3血管造影カテーテル



執筆担当:獣医師 牛尾 俊之
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